山崎元氏のバランスファンド批判は大本営発表以外の何物でもない
- 2017/11/23
- 09:00
「つみたてNISA Meetup 女子部 in 東京」でバランスファンド論争があったようです。
バランスファンド肯定派のカンさんと、否定派の山崎さんが真っ向からぶつかったのでしょう。
「つみたてNISA Meetup 女子部 in 東京」にゲストとして参加しました
バランスファンド論争があったからでしょうか、山崎さんも素早く記事をネット上にアップしています。
初心者向きはウソ。バランスファンドの7つの注意点
お二人の話を見て感じたことは、
山崎元氏のバランスファンド批判は大本営発表以外の何物でもない
ということでした。
そう感じた理由を述べていきましょう。
まず、山崎さんのバランスファンド批判の主張ですが、これは全く正しい。
投資家の理想としてはそうするべき。
出だしから出鼻をへし折るような内容になってしまいました。
すいません。
でも、正しいものは正しいですから(笑)
そしてこれはカンさんも認めているんですね。
しかし、それを分かった上でカンさんはバランスファンドも選択肢の1つとしています。
なぜなのか?
それは、インデックス投資をきちんと出来ない人が多すぎるから。
カンさんは顧客の相談を請け負うファイナンシャルプランナーです。
カンさんに相談に来る人は、一般人と比べて投資と比べて高い意識をもっていると考えられます。
そういった層ですら、3割の人がリバランスできない、きちんとインデックス投資ができないという現実がある。
これは相当に重い話です。
リバランスしなければ、知らないうちにリスク資産が許容度を超える可能性が高くなります。
そういった危険な状態に顧客が陥ることは、FPとして不本意でしょう。
こういった事態を防ぐにはどうすればいいか?
バランスファンドを活用する、という発想が生まれるのは自然なことだと思います。
結局のところ、山崎さんは理想論だけを言う大本営発表なんですよね。
山崎さんはFPではありませんから、個人投資家を手とリ足とリ指導することはありません。
戦場は遠くにあるので、高みの見物ではないですが、他人ごとになりがち。
一方、個人投資家に直接指導をする現場指揮官(FP)からすると、
・現場は理想論どおりには動かないんだよ!
・そんなに言うなら自分でやってみろ!(これを言っている人はいませんが、心の中では思っているんじゃないかな。)
ということになるんでしょう。
バランスファンドを勧めている有名人としては、FPの横山さんもいます。
ベストセラーとなっている「3000円投資生活」では、バランスファンドに絞った投資法を紹介しています。
横山さんも数多くの顧客を相手にしている現場指揮官の1人です。
山崎氏のバランスファンド批判は、【正しいけれど机上の空論】
バランスファンド批判をする人によく見られる意見に、
「リバランスはマスターしてから投資を始めるべき。」
というものがあります。
もっともらしい意見ですが、これを本気で追及するなら投資の敷居は思いっきり高くなります。
初心者が投資を始める時には、多くのことを学ぶ必要があります。
リスク、リターンはもとより、アセットクラスの特徴、証券口座の種類、生活防衛資金 などなど。
知っておかなければならない知識は山ほどあります。
ここにリバランスまで入れてしまうと、キャパオーバーになってくる人が続出するのです。
リバランスをきちんと学ぶためには相関という難しい話も出てきます。
1つ言っておきたいのが、
人はそんなに賢くない。
という悲しい現実です。
もし賢いというのであれば、
・宝くじを買う人
・ギャンブルをする人
・貯蓄型の保険を買う人
・投資で破産する人
が多数いるのは何故なのか説明して貰いたいところです。
山崎さんは「初心者だからといって、投資家を馬鹿にしてはいけないと、筆者は思う。」と述べていますが・・・。
いや、それは初心者を買いかぶり過ぎ、と思いますね。
山崎さんのような頭の良い一部の例外を除いて、大半の人(もちろん私も含まれます。)はそんなに賢くありません。
新しいことを学ぶにあたり、難しい話には拒否反応が出ますし、1度に理解できる量は多くありません。
「特定口座」、「iDeCo」、「つみたてNISA」の特徴を理解し、それに最適なアセットクラスを見極め、自分が良いと思ったアセットアロケーションを構築し適時リバランスしていく。
これを初心者に求めるのは無理です。
この文面だけでも初心者には知らない用語だらけなんですよ・・・。
例えるなら、スキー初心者にいきなりカービングターンをやれと言ってるようなものでしょう。
最初はボーゲンから練習していきますよね。
投資はやりながら勉強していくものだと思います。
勉強には時間が必要です。
初心者は必要最低限の知識を身に付けたら、あとはやりながら少しずつ勉強していけばいい。
幸いなことに、世の中にはバランスファンドというものがある。
これを使えば、リスク資産のアセットアロケーションの決定やリバランスは、勝手にやってくれます。
そもそもな話、
オタクなインデックス投資家が悩みに悩んだ末に決めたアセットアロケーションと、バランスファンドのアセットアロケーション。
リスク、リターンを見るとどっちも大差ない、というのがよくある話です。
私はリスク資産のアセットアロケーションの決定やリバランスが、初心者に必須の知識であるとは考えていません。
そんなことに悩むより、壁を感じて投資を遠ざけてしまうより、詳しくは知らなくてもまずはやってみて、体験する中で少しずつ学んでいけばいいと考えます。
成功体験を積むことが、投資をやる上では大切です。
儲かればより興味を持つようになり、勉強にも身が入るでしょう。
私は初心者がバランスファンドを利用するのには賛成です。
山崎氏の批判を理解はするものの、賛成はしません。
投資を始めるにあたり、そこまで求める必要はないと思うからです。
また、バランスファンドのライバルは、個別のインデックスファンドではありません。
ライバルとなるのは、
・宝くじ
・ギャンブル(競馬やパチンコ)
・貯蓄型保険
といったものです。
厳密なアセットアロケーションやリバランスを理解するよりも、これらライバル商品の粗悪さを理解する方が遥かに重要であり、代わりにバランスファンドという優れた商品があると知る方が、一般人にとっては有益です。
投資を知ることにより、
・世界経済の成長が享受できる。
・自分が働かなくてもお金が増える。
投資を始めたことにより、今まで経験できなかったものを知ることができるます。
新しい世界を知ることが何より大切だと思うのです。
個別ファンドかバランスファンドか、そんなことは些細な問題でしょう。
バランスファンド肯定派のカンさんと、否定派の山崎さんが真っ向からぶつかったのでしょう。
「つみたてNISA Meetup 女子部 in 東京」にゲストとして参加しました
たった「1つの窓口」で、「5つのおかず」を配置する、そしてそれをメンテナンスする、ということも、「案外難しいのだ」ということを、わたしは仕事柄、身に染みて感じています。
過去、弊所のお客様の、相当数(100名以上)の資産管理状況を追跡調査して、おおむね3割程度の人が、『リ・バランス』ができていないことが判明しました。
中略
★ バランスファンドというタイプの投資信託を、「3つの窓口」すべてに当てはめることってアリだと思います。
そうすることで、『リ・バランス』という名のメンテナンス作業から解放され、投資が同じ姿勢で長く続けやすくなると考えます。
バランスファンド論争があったからでしょうか、山崎さんも素早く記事をネット上にアップしています。
初心者向きはウソ。バランスファンドの7つの注意点
(1)バランスファンドは初心者向けか?
(2)複数口座におけるバランスファンド
(3)資産配分に期待できるか?
(4)資産配分固定ならいいのか?
(5)現在の環境での債券部分
(6)iDeCoやNISAに向くか?
(7)手数料は妥当か?
お二人の話を見て感じたことは、
山崎元氏のバランスファンド批判は大本営発表以外の何物でもない
ということでした。
そう感じた理由を述べていきましょう。
山崎氏の主張は机上の空論
まず、山崎さんのバランスファンド批判の主張ですが、これは全く正しい。
投資家の理想としてはそうするべき。
出だしから出鼻をへし折るような内容になってしまいました。
すいません。
でも、正しいものは正しいですから(笑)
そしてこれはカンさんも認めているんですね。
しかし、それを分かった上でカンさんはバランスファンドも選択肢の1つとしています。
なぜなのか?
それは、インデックス投資をきちんと出来ない人が多すぎるから。
カンさんは顧客の相談を請け負うファイナンシャルプランナーです。
カンさんに相談に来る人は、一般人と比べて投資と比べて高い意識をもっていると考えられます。
そういった層ですら、3割の人がリバランスできない、きちんとインデックス投資ができないという現実がある。
これは相当に重い話です。
リバランスしなければ、知らないうちにリスク資産が許容度を超える可能性が高くなります。
そういった危険な状態に顧客が陥ることは、FPとして不本意でしょう。
こういった事態を防ぐにはどうすればいいか?
バランスファンドを活用する、という発想が生まれるのは自然なことだと思います。
結局のところ、山崎さんは理想論だけを言う大本営発表なんですよね。
山崎さんはFPではありませんから、個人投資家を手とリ足とリ指導することはありません。
戦場は遠くにあるので、高みの見物ではないですが、他人ごとになりがち。
一方、個人投資家に直接指導をする現場指揮官(FP)からすると、
・現場は理想論どおりには動かないんだよ!
・そんなに言うなら自分でやってみろ!(これを言っている人はいませんが、心の中では思っているんじゃないかな。)
ということになるんでしょう。
バランスファンドを勧めている有名人としては、FPの横山さんもいます。
ベストセラーとなっている「3000円投資生活」では、バランスファンドに絞った投資法を紹介しています。
横山さんも数多くの顧客を相手にしている現場指揮官の1人です。
山崎氏のバランスファンド批判は、【正しいけれど机上の空論】
人はそんなに賢くない
バランスファンド批判をする人によく見られる意見に、
「リバランスはマスターしてから投資を始めるべき。」
というものがあります。
もっともらしい意見ですが、これを本気で追及するなら投資の敷居は思いっきり高くなります。
初心者が投資を始める時には、多くのことを学ぶ必要があります。
リスク、リターンはもとより、アセットクラスの特徴、証券口座の種類、生活防衛資金 などなど。
知っておかなければならない知識は山ほどあります。
ここにリバランスまで入れてしまうと、キャパオーバーになってくる人が続出するのです。
リバランスをきちんと学ぶためには相関という難しい話も出てきます。
1つ言っておきたいのが、
人はそんなに賢くない。
という悲しい現実です。
もし賢いというのであれば、
・宝くじを買う人
・ギャンブルをする人
・貯蓄型の保険を買う人
・投資で破産する人
が多数いるのは何故なのか説明して貰いたいところです。
山崎さんは「初心者だからといって、投資家を馬鹿にしてはいけないと、筆者は思う。」と述べていますが・・・。
いや、それは初心者を買いかぶり過ぎ、と思いますね。
山崎さんのような頭の良い一部の例外を除いて、大半の人(もちろん私も含まれます。)はそんなに賢くありません。
新しいことを学ぶにあたり、難しい話には拒否反応が出ますし、1度に理解できる量は多くありません。
少しずつやっていく
「特定口座」、「iDeCo」、「つみたてNISA」の特徴を理解し、それに最適なアセットクラスを見極め、自分が良いと思ったアセットアロケーションを構築し適時リバランスしていく。
これを初心者に求めるのは無理です。
この文面だけでも初心者には知らない用語だらけなんですよ・・・。
例えるなら、スキー初心者にいきなりカービングターンをやれと言ってるようなものでしょう。
最初はボーゲンから練習していきますよね。
投資はやりながら勉強していくものだと思います。
勉強には時間が必要です。
初心者は必要最低限の知識を身に付けたら、あとはやりながら少しずつ勉強していけばいい。
幸いなことに、世の中にはバランスファンドというものがある。
これを使えば、リスク資産のアセットアロケーションの決定やリバランスは、勝手にやってくれます。
そもそもな話、
オタクなインデックス投資家が悩みに悩んだ末に決めたアセットアロケーションと、バランスファンドのアセットアロケーション。
リスク、リターンを見るとどっちも大差ない、というのがよくある話です。
私はリスク資産のアセットアロケーションの決定やリバランスが、初心者に必須の知識であるとは考えていません。
そんなことに悩むより、壁を感じて投資を遠ざけてしまうより、詳しくは知らなくてもまずはやってみて、体験する中で少しずつ学んでいけばいいと考えます。
成功体験を積むことが、投資をやる上では大切です。
儲かればより興味を持つようになり、勉強にも身が入るでしょう。
まとめ
私は初心者がバランスファンドを利用するのには賛成です。
山崎氏の批判を理解はするものの、賛成はしません。
投資を始めるにあたり、そこまで求める必要はないと思うからです。
また、バランスファンドのライバルは、個別のインデックスファンドではありません。
ライバルとなるのは、
・宝くじ
・ギャンブル(競馬やパチンコ)
・貯蓄型保険
といったものです。
厳密なアセットアロケーションやリバランスを理解するよりも、これらライバル商品の粗悪さを理解する方が遥かに重要であり、代わりにバランスファンドという優れた商品があると知る方が、一般人にとっては有益です。
投資を知ることにより、
・世界経済の成長が享受できる。
・自分が働かなくてもお金が増える。
投資を始めたことにより、今まで経験できなかったものを知ることができるます。
新しい世界を知ることが何より大切だと思うのです。
個別ファンドかバランスファンドか、そんなことは些細な問題でしょう。
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- テーマ:インデックス投資
- ジャンル:株式・投資・マネー
- カテゴリ:インデックス投資
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